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アーカイブ:2019年

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閑谷神社本殿保存修理工事(続き)

 前回の続きです。流し板取付状況です。
流し板と流し板の木端には合釘で留め付けしていたので現状復旧します。
流し板をスライドさせて取付していきます。


敷目板も復旧していきます。平瓦が腰掛ける場所です。



大棟を解体しました。・・・が、大変腐っています。
部材ごとに取替、繕いの計画をして復旧していきます。(乾式なので箱棟です)


大棟の組立です。側板(繕い済)から組立ていきます。
丸瓦の納まり、水板、熨斗勾配、鬼瓦の納まりなど原寸を作成、確認を行ってからの組立です。
現状復旧が基本ですが、納まりの悪い箇所などは監理者と協議して改善していきます。


天板は腐敗の度合いが大きかったので全取替しました。


隅棟も鬼瓦周辺が腐っていたので繕いを行いました。


大棟防腐塗装です。


屋根木部防腐塗装です。歴史的建造物が少しでも長持ちしますように。

8/24(土)に現場一般公開を行いました。


創建当初や工事の度に製作された瓦を時代別に並べて、岡山県職員の方が説明していました。
多数の方が来られていました。


矢切漆喰塗り搔き落としです。
長年の風雨にさらされて、割れたり、浮いたりしているカ所を取っています。


瓦着工前(南東から撮影)です。


瓦着工前(北東から撮影)です。


丸瓦の下地(平瓦引掛)加工です。大工曰く大変難易度が高い様です。
今回は全取替です。

丸瓦の下地(平瓦引掛)完成品です。


防腐塗装も行いました。


いよいよ瓦葺き着工です。軒唐草を取り付けいていきます。木部同様、銅釘での取付です。


平瓦を差し込みながら、順次取付けていきます。


また次回、工事の進捗状況を報告、公開させていただきます。
興味のある方は是非チェックしてみてください。

 

旧足守藩侍屋敷遺構母屋棟修繕

旧足守藩侍屋敷遺構
昨年の台風によって傷んだ母屋棟修繕が始まりました。



杉皮、棟飾りを解体撤去すると竹の下地が出てきました。
屋根屋さんは暑さに耐えて作業しています。
足場には上がれませんが、作業中も侍屋敷は開館していますので
どうぞ皆さんいらしてください。
月曜日が休館日です。
 

 

閑谷神社本殿保存修理工事

 今回は平成30年9月から弊社が施工している旧閑谷学校敷地内の閑谷神社本殿保存修理工事を
紹介したいと思います。
 
軒足場、素屋根、保存工作小屋組完了です。
  
瓦を解体する前の写真です。


 
鬼瓦解体です。各種瓦には元の場所に戻せるように色テープで番付を付けます。
閑谷神社本殿は珍しいことに棟の構造(下地)、瓦下地が乾式(土を使わない)です。

 
大棟瓦の解体が完了しました。下地は一部腐敗しています。
チョークで印をしているのは、使っていた釘穴をチェックしたものです。
この木材がいつの時代のものなのか、または建物自体の修理記録を整理していつの時代に
戻すのかを考える為の判断材料としてチェックしています。
和釘or洋釘、釘の打っている回数などは重要です。


 
 
丸瓦の下地(平瓦引掛)も木材を使用して乾式としています。
木材は楠を使っていました。防虫効果があるみたいです。
やはり腐っています。
この丸瓦下地が腐ってしまうと平瓦、丸瓦が上から下へズレてきて雨漏りの原因となったり、
瓦が地面に落ちてきたりして、観光客の方などに危険が生じます。

 
瓦解体完了です。

 
木部にも瓦と同様に番付(ベニヤ)をします。調査、実測の後、解体です。
写真右下から野地板(栗)、土居葺き(杉)、流し板(楠)、敷目板(楠)です。


 
 
小屋組が見えてきました。

 
今回工事の大きな目的の一つである南北化粧隅木の割れ(折れ)の修繕。
当初(解体前)は取替だったのですが、化粧隅木の上に乗っている桔木を上げて実際見てみると
化粧隅木の割れは酷くなく、関係者打合せの元、金物補強でOKでした。

 
桔木の防腐塗装を施工しました。

 
軒先布裏甲の繕い作業です。腐敗したカ所を繕っていきます。

 
野田木、野地板の復旧です。一部取替ですが、番付を見ながら元あった位置へ留め付けて
いきます。

 
いつ修理したか分かるように補足材(新材)には『平成三十年度修補』の焼印を押していきます。

 
瓦解体後、選別をして今回使えない瓦は補足瓦と入れ替えです。
補足瓦が完成です。寸法、形状など難しい事だらけだったのですが、
製作期間約6ヵ月程かけて製作して頂きました。
瓦の土の段取りから始まるのですから大変だったと思います。
製作者の方には感謝です。

 
土居葺きです。現在のルーフィング(防水紙)の代わりです。

 
土居葺き完了です。既存との取合いはうまく施工出来ました。

 
流し板の復旧作業です。留め付けは銅釘を使用しています。
銅は柔らかいので長い銅程、曲がりやすくて難易度高めです。

 

国宝旧閑谷学校講堂 屋根保存修理工事

お蔭さまで、講堂屋根点検修理を終えました。


 3月23日、24日小雨交じりの寒い中、一般公開が行われました。
今回は、事前に応募しての予約制でしたので、人数に制限がありましたが、
大勢の方が、国宝の屋根を足場の上から真近にしながら、
岡山県の専門官の方に説明を受け、興味を深めていらっしゃいました。