閑谷神社本殿保存修理工事
紹介したいと思います。
軒足場、素屋根、保存工作小屋組完了です。
瓦を解体する前の写真です。
鬼瓦解体です。各種瓦には元の場所に戻せるように色テープで番付を付けます。
閑谷神社本殿は珍しいことに棟の構造(下地)、瓦下地が乾式(土を使わない)です。
大棟瓦の解体が完了しました。下地は一部腐敗しています。
チョークで印をしているのは、使っていた釘穴をチェックしたものです。
この木材がいつの時代のものなのか、または建物自体の修理記録を整理していつの時代に
戻すのかを考える為の判断材料としてチェックしています。
和釘or洋釘、釘の打っている回数などは重要です。
丸瓦の下地(平瓦引掛)も木材を使用して乾式としています。
木材は楠を使っていました。防虫効果があるみたいです。
やはり腐っています。
この丸瓦下地が腐ってしまうと平瓦、丸瓦が上から下へズレてきて雨漏りの原因となったり、
瓦が地面に落ちてきたりして、観光客の方などに危険が生じます。
瓦解体完了です。
木部にも瓦と同様に番付(ベニヤ)をします。調査、実測の後、解体です。
写真右下から野地板(栗)、土居葺き(杉)、流し板(楠)、敷目板(楠)です。
小屋組が見えてきました。
今回工事の大きな目的の一つである南北化粧隅木の割れ(折れ)の修繕。
当初(解体前)は取替だったのですが、化粧隅木の上に乗っている桔木を上げて実際見てみると
化粧隅木の割れは酷くなく、関係者打合せの元、金物補強でOKでした。
桔木の防腐塗装を施工しました。
軒先布裏甲の繕い作業です。腐敗したカ所を繕っていきます。
野田木、野地板の復旧です。一部取替ですが、番付を見ながら元あった位置へ留め付けて
いきます。
いつ修理したか分かるように補足材(新材)には『平成三十年度修補』の焼印を押していきます。
瓦解体後、選別をして今回使えない瓦は補足瓦と入れ替えです。
補足瓦が完成です。寸法、形状など難しい事だらけだったのですが、
製作期間約6ヵ月程かけて製作して頂きました。
瓦の土の段取りから始まるのですから大変だったと思います。
製作者の方には感謝です。
土居葺きです。現在のルーフィング(防水紙)の代わりです。
土居葺き完了です。既存との取合いはうまく施工出来ました。
流し板の復旧作業です。留め付けは銅釘を使用しています。
銅は柔らかいので長い銅程、曲がりやすくて難易度高めです。